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※本内容は執筆時点のものです。
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回答者:BM Accounting 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))
労災保険の申請方法・給付内容
ご質問の要約
タイの労災保険の申請方法、給付内容を教えていただけますでしょうか。
カイプロ専門家の回答
就労中のでケガ・事故があった場合、以下の報告をすることで労働者災害補償(労災保険)の対象となります。
1. 会社は労災事故による通院にかかる報告書(Kortor 44)を作成して病院に提出
2. 会社は労災保険の受給のためにる労災による傷病報告(Kortor 16)、診断書(Kortor 16 Kor)、上記の労災事故による通院にかかる報告書(Kortor 44)の控えを社会保険事務所に提出(労災発生から15日以内)
3. 業務安全衛生・環境にかかる法令に基づき上記1、2に記載の書類すべてのコピーを労働福祉局に提出(2.の社会保険事務所への報告から7日以内)
給付は以下の通りとなります。
■傷病にかかる給付
・軽傷の場合:50,000バーツまで
・重傷の場合:300,000バーツまで
・複数の傷病がある場合:合計1,000,000バーツまで
■障害にかかる給付
・軽度の障害の場合:月額給与の70%(上限14,000バーツ/月)最長1年間
・重度の障害の場合:月額給与の70%(上限14,000バーツ/月)最長10年間
・今後の就労が不可な場合(より重度の障害):月額給与の70%(上限14,000バーツ/月)最低15年間
■リハビリにかかる給付
・治療上(低度)のリハビリ:24,000バーツまで
・手術上(高度)のリハビリ:40,000バーツまで
■死亡にかかる給付
・死亡年金:月額給与の70%(上限14,000バーツ/月) 最長10年間
労災保険の加入方法
ご質問の要約
労災保険に加入している認識が無かったのですが、加入・支払いはどのように行われるのでしょうか。
カイプロ専門家の回答
労働者災害補償保険は社会保険加入時に併せて加入をするものとなります。
毎年当年度の概算保険料(Kor Tor 26 Kor)を1月31日まで、前年の確定保険料(Kor Tor 20 Kor)の申告・納付・還付は2月末までに申告・納付します。
保険料は「従業員の見込み賃金の年間合計額×拠出率」で料率は業種によって異なり、0.2%~1.0%です。(その他過去の給付実績に基づく増減あり)
保険料計算時の賃金総額は、社会保険加入の全従業員が対象となり、1人あたりの年間賃金の上限は240,000バーツです。
貴社でも毎年上記の概算保険料、確定保険料の申告・納付を行っているかと思います。
労災の対象範囲
ご質問の要約
以下のようなケースで社員が怪我をした場合、タイで労災となるか否かにつきご教示ください。
1)通勤途中
2)就業時間中の会社敷地外での交通事故
3)休憩時間中の会社敷地内での怪我
カイプロ専門家の回答
1)通勤途中
タイの労災保険は日本と異なり通勤災害は対象外となります。
そのため、
・業務上の客先訪問等での移動は対象となりますが、
・純粋な通勤途中での怪我については対象外となります。
2)就業時間中の会社敷地外での怪我
業務災害は対象となりますので、就業時間中に業務上の都合で外出していた際の事故については対象となります。
3)休憩時間中の会社敷地内での怪我
以下2パターンに分かれます。
- 会社の施設が原因での怪我(例えば工場の機械など):対象
- 会社敷地内での私的な行為による怪我:対象外(私傷病扱い)
会社補償の要否、補償の一般的方法
ご質問の要約
労災対象の場合、会社からは補償をする必要がないのでしょうか。何等か補償が必要な場合、会社からの補償の一般的な方法について、アドバイスをいただけますでしょうか。
カイプロ専門家の回答
日本と同様ですが、法的には会社が補償責任を負いますが、実際には労働者災害補償基金が代わりに支払いを行う形となります。
ただし就労中や休憩中であっても私的な行為で怪我をした場合には対象にならない場合があり、また、労災保険による給付を超える費用が発生する場合もあります。その場合で、会社の施設の不備等による場合は、従業員の方が貴社側に賠償金の請求を行う可能性もあります。
一般的には、係争等となる前に事前にご本人、場合によってはご家族も含めて協議をし補償額を決定するような場合が多いかと存じます。
また、機械のメンテナンスを外部委託している場合でメンテナンス不備が原因であるなど第三者にも原因があると考えられる場合、第三者も含めて賠償金の負担をするかなどは状況によって当事者間で決めることになるかと存じます。
事故発生後の会社への影響
ご質問の要約
労災保険の適用があると、雇用主にはどのような影響があるでしょうか。
カイプロ専門家の回答
労災事故の発生の有無によって労災保険料が変わってまいります。
また、労災事故の内容によって各当局からの事実確認等の調査が入るケースも御座います。
以上となります。
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