カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら

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タイ|整理解雇(事業所閉鎖,業績不振,機械化等)の基礎知識

ご質問の要約

業績不振に伴う整理解雇を検討しています。以下についてご教示いただけますでしょうか。

  • 整理解雇の概要
  • 法定の解雇保証金への上乗せの要否
  • 業績不振とできる基準
  • その他注意点

カイプロ専門家の回答

回答者:BM Accounting 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))

長澤さん写真

整理解雇の対象

整理解雇については、労働者保護法121条にて、「機械の導入、機械又は技術の変更による組織再編」が対象となりますが、調停・裁判においては、業績不振や事業所閉鎖の場合でも当該121条の整理解雇の条件が通常適用されます。

(カイプロ注:調停事例・判例をもとに、業績不振・事業所閉鎖の場合に当初から整理解雇として進めるケース、または、法律上はあくまでも対象でないことから特に解雇人数が少ない(50人以下など)場合には先ず一般解雇として進めるケースの両者が見られます。)

事前通知期間

解雇時には従業員への事前通知が必要となり、一般解雇では一賃金支払期間前までの通知となりますが、整理解雇の場合には60日以上前までとなります。

ただし、事前通知期間に相当する金額を支払う場合、即座に解雇することもできます。

特別解雇補償金

また、整理解雇で勤続年数が6年以上の従業員の場合には、通常の解雇補償金に加え勤続年数1年につき15日の加算が必要です。(特別解雇補償金)

解雇通知書、また関連して調停・労働裁判について

注意点として、不当解雇にならないように解雇通知書で解雇の理由を明記するべきです。組織再編の必要性や他業務での雇用の継続が難しい理由、業績などをエビデンスとして残すことが望ましくなります。

不当解雇として労働局に駆け込まれると、調停や労働裁判となる場合もあります。不当解雇とされる場合、解雇補償金・特別解雇補償金に加え損害賠償金として、一般的に勤続1年につき1カ月分などの支払いとなる場合が多いです。

業績不振についての明確な基準はありませんが、利益減少があっても利益計上がある場合過去の利益剰余金がある(金額が大きい)ような場合に整理解雇が認められずに不当解雇とされるケースも見受けられます。

そのため、不当解雇のリスクヘッジとして、解雇通知に同意欄を設け、通知内容に同意をする旨、記載の補償金等以外に今後金銭の要求をしない旨の宣誓分などを記載し同意を得る実務が多くみられます。 

以上となります。

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