カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら

今回はタイにおけるVATの基礎知識の解説記事のうち、2/4回目(輸出・輸入)になります。

第1回:タイVATの概要
第2回:輸出・輸入の取扱い(本記事)
第3回:繰越し・還付の取扱い
第4回:タックスインボイス

解説者:Kaipro 西川(公認会計士)

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※本内容は執筆時点(23年6月)のものです。

輸出入 ① 輸出時のVATの取扱い

解説

続いて輸出時のVATの取扱いについて解説します。

輸出時のVATは免税となり、事業者は海外の顧客からVATを預かりません。これは、VAT(日本でいう消費税)は消費地で最終課税されるためです。したがって、物品やサービスが消費されない国では税収は発生しないことになります。

そのため、生産プロセスの途中で物品が国外に出て行くと、その国はもはや消費者がいる国(物品が消費される国)ではなくなり、したがって税収が発生する国ではなくなります。その結果、段階的に納税していたVATについては還付を受けることができます(還付以外の方法での精算も可能です)。

(参考)サービス取引を海外顧客へ提供した場合、モノと異なりサービスは移転が容易のため、消費地がタイ国外であると明確にならず、少しでもタイと関係のある内容の場合、税務署が「タイ国内消費である」としてVAT課税(海外顧客へVAT上乗せし請求)と指摘する場合が多い(課税漏れであれば請求者が負担)。なお国外顧客が支払ったVATは海外から取り戻せず、顧客側で費用処理することとなる。

輸出入 ➁ 輸入時のVATの扱い

解説

続いて輸入時の取扱いについて解説します。先ほどはタイが輸出側でしたが、今回はタイが輸入側です。

輸入の際、輸入品には海外のVATはかかっていません。なぜなら、輸出国のVATは輸出により免税となっているからです。

一方タイ側でも、タイのVATはまだかかっておらず、タイ国としては税収がまだありません。VATの仕組み上、製品の加工プロセス・バリューチェーンを通じて段階的に税収が発生することが期待されます。しかし輸入ではそのプロセスが海外で行われているため、タイ国としてはまだ税収を得ていない状態です。

国内で全てのプロセスが行われた製品と比較すると、輸入品にはまだ全く税金が課せられていないため、輸入品については、その輸入時までのバリューチェーンで生じているはずのVATを関税とともに納付します。これにより、輸入品にVATが賦課され、国内で生産された商品と同じ状態に整えられます。

※(参考)サービス取引を海外企業へ発注した場合、「サービスの輸入」として、代金支払い(海外送金)月の翌月に、VATを歳入局を支払う(フォームPP36)。

第2回は以上となります。

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他のVAT解説記事
第1回:タイVATの概要
第3回:繰越し・還付の取扱い
第4回:タックスインボイス

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