カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら

本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。

※本内容は執筆時点(20年11月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。

タイでの就業規則違反への対応例

ご質問の要約

ある従業員の就業規則違反が判明しました(副業禁止規定違反、会社資産の私的利用禁止規定違反)。

ペナルティを科したいのですが、この場合、どのような対応が妥当でしょうか?

「減給処分」もしくは「一定期間の停職処分」などを検討しています。

カイプロ専門家の回答

回答者:BM Accounting 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))

長澤さん写真

就業規則の記載内容にもよりますが、今回の例ですと一般的に就業規則違反として懲戒事由とすることは可能と考えられます。

懲戒事由発生時の対応としては

  • 口頭注意
  • 書面注意(警告書)
  • 減給
  • 出勤停止
  • 懲戒解雇

があります。

必ず上記のステップを踏むわけではなく、状況によって最初から減給・出勤停止・懲戒解雇などを行うことも可能ではございます。

【減給についての判例】

事案が懲戒事由にあたる場合、一時的な減給処分を行うことが可能です。ただし、労働者保護法において以下の条件があります。

  • 最大でも1つの事由で10%減給、複数事由でも合計20%まで。
  • 1つの事由での処分は1回まで。

懲戒事由によっても異なりますが、月額20%の減給あるいは3ヶ月の給与カットは不当という判例も見られるため、月額10%、2ヶ月分以下などに留めることが望ましいです。

【出勤停止による給与不支給】

労働者保護法の第116条に基づき、会社の規則に出勤停止に関する懲戒の記載がある場合、出勤停止の命令と違反内容を書面で発行し本人へ通知することで、従業員を出勤停止させることが可能です。(1回につき最大7日間) 

条文上は違反行為の程度を問わない形ですが、実務上は「懲戒解雇事由にあたる可能性が高い場合に、その調査期間に出勤停止とし最終的に懲戒解雇事由にあたる場合には給与も支払わない」というような対応が多くなっています。

そのため、今回のようなケースで適用することは事例としては多くありません。

なお出勤停止による給与不支給は会社に損害を与える行為と認められる場合とされている判例もありますので、損害が伴わない事由に対する懲戒解雇の場合には給与不支給が認められない可能性もあります。

【実際の対応例】

今回のケースでは、懲戒事由について就業規則の条項も参照した警告書を発行(次回同様のことがあった場合には懲戒解雇とする、などの文言の記載も可能)のうえ、一時的な減給処分とするなどの選択肢が考えられます。

以上となります。

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