カイプロの西川です。月6,000THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
回答者:JGA 坂田(タイ税務・BOI専門家)
BM Accounting & Legal 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))
Kaipro 西川(公認会計士)

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※本内容は執筆時点(24年3月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
サービス料の海外送金にかかる税金
ご質問の要約
サービス料の海外送金を日本本社に対して行う予定です。この場合に一般的にかかる税金について教えてください。
カイプロ専門家の回答
サービス料の支払い等で外国法人に海外送金を行う場合、原則として源泉徴収税(原則15%)及びリバースチャージ方式によるVAT(後述)が課せられます。
なお日本の法人への送金の場合、源泉徴収税額は日本側で外国税額控除の適用も可能です。(必要書類等については日本での担当税理士様とご相談下さい。)
ただし、後述の日本への送金の場合など、租税条約により源泉徴収税が課せられない場合もあります。
リバースチャージ方式によるVAT(申告フォームPP36)
ご質問の要約
リバースチャージ方式によるVATとは何でしょうか。
カイプロ専門家の回答
リバースチャージ方式によるVAT納付とは、海外へのサービス料等の支払い(サービスの輸入)時のVATの納付方法で、国内取引のように相手先にVATを支払うのではなく、歳入局へ直接VATを納付します。(海外送金そのものは源泉税の控除のみ行い、それと別途VATの納付を行う)
申告フォームはPP36となり、サービス料の送金を行った翌月に歳入局へ納付しますが、これは通常の国内取引の仕入れVATと同じく売上VATから控除が可能のため、最終的に税負担はありません。
ただし、仕入VATが多く還付ポジションになってしまっている場合は将来的に還付請求を行わないと取り戻せないということは発生します。
日本へのサービス料送金時の源泉徴収の要否
ご質問の要約
日本の業者から購入した備品が破損したため現品を送り修理を依頼した、という取引において、支払い時に源泉税15%の控除が必要と認識していますが正しいでしょうか?
カイプロ専門家の回答
海外へのサービス料の支払いはタイ国内法では原則15%の源泉税控除ですが、日本への支払の場合には日泰租税条約が優先適用となります。
この場合、控除要否は主に、「一般サービス」であるか、「ノウハウの使用・譲渡の対価」であるかで変わります。
ノウハウ等を使用しない一般サービスの場合、源泉徴収は原則不要です(※)。一方、ノウハウ等を使用するサービスの場合には源泉徴収(15%)が必要です。
ノウハウ等を使用するサービス料とは、専門的には使用料・ロイヤリティと呼ばれるもので、知的財産、産業上・商業上・学術上の経験に基づく情報の使用・譲渡の対価が該当します。これには、いわゆるロイヤリティの支払いから、特許料、商標使用料、システム利用料、ソフトウェア代金、その他専門的な情報やノウハウの移転を伴う幅広いものが含まれます。
修理については通常は一般サービスに該当すると考えられますので、源泉税の控除は原則不要と考えます。
ただし、タイ歳入局は少しでもノウハウの移転的な要素があると源泉徴収が必要と主張する場合があるため、内容がノウハウの移転等を使用しない一般サービスと明確に主張出来ない場合には、15%の源泉税控除とする判断もあり得ます。
源泉徴収税は本来送金先が負担する税金ですが、その徴収をして納税をする責任は送金側にあるため、納付漏れと指摘を受けるとタイ法人側が罰金等の対象となるため注意が必要です。
また、請求時のInvoiceの記載方法等によっても税務調査時の判断が変わる可能性があるためご留意ください。
なお源泉税控除を行う場合、支払い相手にもその旨を説明する必要があります。この点、相手先が日本法人の場合、日本側で外国税額控除を受けられるため、必要な根拠書類をタイ側から提供するよう依頼を受ける場合があります。
※一般サービスでも、支払い先のPE(恒久的施設)がタイにある場合、源泉税5%の対象となります。
ノウハウの使用と指摘を受ける特殊なケース
ご質問の要約
タイ歳入局は少しでもノウハウ的な要素があると源泉徴収が必要と主張する場合があるとのことですが、具体的にはどのようなケースがありますか。
カイプロ専門家の回答
※本項目の回答内容はカイプロご契約者様限定のコンテンツです。
相手方が源泉徴収を認めない場合
ご質問の要約
日本への修理サービスの支払について、保守的に源泉徴収することを考えています。しかし、先方は本件は源泉対象にならないはずと主張しています。どのように対応をすれば良いでしょうか。
また、源泉徴収の要否については支払い側の判断に委ねられると聞きましたが、これは本当でしょうか?
カイプロ専門家の回答
※本項目の回答内容はカイプロご契約者様限定のコンテンツです。
以上となります。
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タイ|会計・税務・労務サービス
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