カイプロ、会計士の西川です。
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さて、COVID-19に伴う景気後退によりコスト削減に迫られる企業様も多いかと思います。

コスト削減の手法は数多ありますが、その中で本日は「適法に駐在員のボーナスを本社負担とする方法」をお伝えいたします。

本来、タイ勤務駐在員のボーナスはタイ法人にて負担しなければなりません。
これを単に本社負担とすると通常は本社の費用として認められず、税務調査時等のリスクとなります。

しかし本日ご紹介する手法「出向較差補填」を使えば、駐在員ボーナスの費用を適法に日本法人の費用として計上できます。

タイ法人としてはコスト削減に、また、タイが赤字・日本が黒字であれば、本社側の税金が減少しグループ全体のキャッシュが増加します。

ぜひご活用いただけますと幸いです。

出向較差補填とは

出向較差補填とは、出向者給与の一部について、「出向先で給与が減少したため、その分を出向元が支給」したり、「海外出向者の留守宅手当を出向元が支給」などした場合、それを出向元の損金(税務上の費用)として認めるというルールです。

出向元による賞与支給

出向較差補填の対象として、以下の例示があります。

出向先が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため、出向元が代わりに賞与を支給する場合、出向元の損金(税務上の費用)となる。

国税庁「出向者に対する給与の較差補てん金の取扱い

つまり、タイ法人が経営不振のため駐在員に賞与を支給できない場合、親会社が代わりに支給すれば、日本の税務ルール上、親会社の費用として認められるということです。

COVID-19に伴う景気後退により、「経営不振」であると認められる状況の場合、賞与支給を親会社負担とし、適法に費用負担者を変更することができます。

「費用付け替え」というと怪しい響きですが、これは適法ですので、上手く活用しタイ法人のコストを削減にお役立てください。

また、タイ法人が赤字・親会社が黒字であれば、親会社で費用計上することで、グループ全体の税金額を削減できます。

なお、タイの税務署から見ると費用が減る(税金を取れる可能性が高まる)ため、タイ税務署対応はあまり気にする必要がないかと思います。

留意点

以下、留意点を記載いたします。

認められる条件

経営不振であること

もう一度例示を確認します。

出向先が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため、出向元が代わりに賞与を支給する場合、出向元の損金(税務上の費用)となる。

つまり、出向先は「経営不振等で賞与を支給することができない」状況である必要があります。

基本的には、赤字、または賞与支給すると赤字となる、あるいは賞与を支給すると資金繰りに問題が生じる状況であれば、認められ得るものと考えます。
(※保証するものではありません)

根拠資料の準備が必要

親会社の費用として認められるためには根拠資料が必要です。

具体的には以下のようなものが考えられます。

  • タイ法人の赤字決算書など、経営不振を示す資料
  • 親会社・駐在員間の当初の雇用契約書
  • 親会社・子会社間の出向契約書
  • 子会社における子会社・駐在員間の雇用契約書
  • 子会社にて賞与支給しないとした社内資料(取締役会議事録など)

タイでの所得税申告は引き続き必要

賞与を日本法人で支給したとしても、当該賞与は「駐在員がタイで勤務した結果の所得」のため、タイでの所得となります。

よって、日本支給部分も合算してタイにて申告する必要があります。(いわゆる合算申告)

まとめ

いかがでしたでしょうか?以下まとめを記載いたします。

  • タイ法人が経営不振のため駐在員に賞与を支給できない場合、親会社が代わりに支給すれば、日本の税務ルール上、親会社の費用として認められる
  • メリットとして、「タイ法人のコスト削減」、「タイ法人が赤字・親会社が黒字であれば、グループ全体の税金額を削減できる」点がある
  • 親会社の費用として認められるためには、「子会社が経営不振である事実」および、出向契約書・賞与不支給の社内資料といった根拠資料が必要
  • 親会社で支給したとしても、タイの個人所得税申告上は合算して申告する

以上となります。

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