カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら

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本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。

※本内容は執筆時点(21年12月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。

政府機関への贈答・贈賄に関する法規制

ご質問の要約

弊社は毎年歳入局に年末ギフトを送っています。日本では、政府機関や公務員への贈答(贈賄、賄賂)は禁止されていますが、タイでは問題ないのでしょうか。

カイプロ専門家の回答

回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)

永田弁護士の写真

こちら、以下2点の問題となります。

①日本の不正競争防止法違反の問題

②タイの反汚職法の問題

日本の不正競争防止法違反の問題

日本国民は、日本国内だけではなく外国においても、外国公務員に対する贈賄を行うことが禁止されています(不正競争防止法18条)
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/gaiyou.html

タイ法人が主体となる場合はこの日本の不正競争防止法の問題ではないですが、日本人のサイン権者などは共同正犯とされる可能性もありますので、慎重に対応されるべきと考えます。

タイの反汚職法の問題

反汚職法については、公務員に対し、当該公務員がその職務に反して作為もしくは不作為または遅延するよう誘導するため、財物その他の利益を供与し、供与を申出、または供与することに同意する行為を禁止しています。

そのため、歳入局にギフトを送ることは原則として上記禁止についての違反となると考えます。

ただし、従前は国家汚職防止委員会告示により、社会的儀礼・慣習として公務員による利益の受領が許容される例外が示されており、その中に3,000THBを超えない範囲で利益を受け取る場合というものがありました。

この告示が現在も有効かという点は明確ではないものの、実務上引き続き適用されると考えていると思われることもあり、この範囲でギフトを送ることを継続している会社はあろうかとは思います。

ただ、これは贈賄側に対する告示ではないこと(あくまで収賄側の公務員についての適用除外の告示です)、コンプライアンス上ギフトを送ることは、日本の法令からしてもリスクがあることなどより、このようなギフトを送ることは、やめる方が適切であると考えます。

その際、タイスタッフとしては上記3,000THB基準などや、過去送っていることより中止に反対することも考えられますが、日本を含めてグループの方針であるなど説明し中止するよういただくことが望ましいのではないかと考えます。

以上となります。

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