カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
※本内容は執筆時点(22年9月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
外国人・外国法人の土地取得の制限
ご質問の要約
今回、事業用地として土地の取得を予定していますが、下記の条件で取得は可能でしょうか。
- 弊社はBOI企業でなく、またIEAT所在企業でもありません。
- 日本側の出資比率は49%(外国人事業法の規制対象外)
カイプロ専門家の回答
回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)
まず、タイにおいては原則として外国人(外国法人)は土地の所有ができません。
ここで、土地法における外国法人の定義は以下となっています。(外国人事業法上の外国人の定義と若干異なっているので注意が必要です。)
- 外国側の登録資本の保有割合が49%を超えるか、または
- 外国株主の人数が全株主の過半数を占める会社等をいいます。
※タイ側株主に法人が含まれる場合、当該株主の資本構成も確認され土地所有ができない可能性があります。
なお、土地所有の例外として、BOIやIEAT工業団地においては土地取得は可能となっています。
貴社はBOI企業でなくまたIEAT所在企業でもないとのことで、貴社の資本構成が問題となります。外国人資本が49%とのことですが、49%を少しでも超えると土地所有ができません。
また貴社タイ側株主に法人が含まれる場合、その法人の株主構成も問題になります。タイ側株主である法人の株主がすべてタイ人個人であれば問題ありませんが、タイ側株主(法人)の株主もまた法人である場合、どこまで遡って見るかは管轄の土地局により異なり、また担当官によっても厳しさが異なります。最終的にタイ人個人になるまで遡って確認する土地局の担当官もいます。
購入を予定している土地を管轄する土地局に確認となりますが、まずは本件を担当する不動産仲介業者がいればその業者に確認されてもいいかと思います。なお土地局で事前にOKが出たとしても、実際の登記の際に異なる判断をされる可能性もあります。
土地の名義変更手続きの概要
ご質問の要約
タイでの土地の名義変更手続きの概要を教えてください。
カイプロ専門家の回答
回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)
土地の名義変更(所有権移転登記)は、対象の土地を管轄する土地局にて手続きを行います。本人のほか、委任状により代理人が手続きをすることも可能です。
手続きでは、当事者間で締結された売買契約書ではなく、土地局に備え付けの売買契約書のフォーマットにサインします。既に締結済み売買契約内容の主要条項のみを同フォーマットに記載し両当事者が登記官の面前でサインすることにより、登記手続きが行われます。
移転登記の内容は、土地の権利証(Title Deed)に追記され、登記手続きが完了します。
土地の名義変更手続きの概要
ご質問の要約
土地の名義変更手続きの際にかかる費用の概要をご教示いただけますでしょうか。
カイプロ専門家の回答
回答者:J Glocal Accounting 坂田(タイ税務・BOI専門家)
下記の費用が発生します。
- 登記手数料=土地・建物評価額の2%
- 特別事業税=土地・建物評価額の3.3%(所有期間が5年以内の場合。ただし、所有権者の氏名がタビアンバーンに1年以上登録されている場合を除く)
- 収入印紙代=売買価格と土地・建物評価額のうち高い金額の0.5%(特別事業税が発生した場合は不要)
上記のほか、売買代金の支払いについて源泉徴収税を控除する必要がありますが、売却者が法人か個人かにより計算が異なります。
- 売却者が法人:売却額の1%を源泉徴収
- 売却者が個人(原則):土地局による評価額に、保有期間に応じた法定の経費控除を加味して税額を計算
- 売却者が個人(例外):土地局の判断で、販売者が法人である場合の計算(売却額の1%)で源泉し、個人は確定申告時に調整
個人の場合にどちらの方法となるかは土地局の判断ですが、例外ケースの方が実務上は多いです。この点、事前に税額試算を行い土地局の担当官に相談すると源泉の有無は確認できます。
以上となります。
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