カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
回答者:J Glocal Accounting 坂田(タイ税務・BOI専門家)
※本内容は執筆時点(22年10月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
固定資産の範囲のルール
ご質問の要約
社内で1,000THB以上の物品を全て固定資産登録しており、点数が多くなっています。これは一般的なことでしょうか?
カイプロ専門家の回答
タイの税法上は金額基準がなく1年基準しか無いため、原則として一年以上使用できるものは全て固定資産計上を行うルールとなります。
ただし、実務上1THB以上でかつ一年以上使える物を全て固定資産登録する事は一般的には行われておらず、会社ごとに金額基準を設け、それ以下であれば固定資産登録をせずに費用処理してしまうことが一般的です。
一般的に、1,000THB~5,000THB程度を消耗品と固定資産の線引きをされている企業さんが多いかと思います。(勿論、税法上で金額基準はありませんのでこの金額だから問題が無いという事ではない事をご理解ください。)
固定資産の償却開始日のルール
ご質問の要約
3月に支払い(領収書も3月に受領)、5月納入予定という固定資産があります。この場合、減価償却の開始のタイミングは3月、5月のいずれになりますでしょうか。
カイプロ専門家の回答
固定資産については貴社にて利用可能となったタイミングで減価償却を開始してください。
3月で支払いが完了していたとしても、減価償却については実際に納品がされる5月以降で、該当資産が「使用が可能となった日」から減価償却を開始します。
なお減価償却の開始までの期間、支払金額については前払金などで処理します。
類似質問
1月に機械を購入、設置し、その支払いが2月末と3月末の2回払いとなります。この場合、固定資産登録は支払いが完了した3月となりますでしょうか。
類似質問への回答
機械の購入と支払いの分割については切り分けてお考えください。機械の購入という事実が起きた段階で、その機械(固定資産)がすぐに事業に供する事ができる場合はその時点で減価償却をスタートします。
機械代金の分割払いはあくまでも固定資産登録のタイミングとは別ですので、機械購入時に未払金として計上している物を支払いの都度減額するのみとなります。
耐用年数設定の考え方
ご質問の要約
タイにおいて、税法上の耐用年数は、建物20年、パソコン・ソフトウェア3年、それ以外5年と定められていると思います。一方、弊社の会計は、規程により、建物を25年、機械装置を12.5年など税務上の耐用年数より長い耐用年数に設定しております。
弊社のように税務上の耐用年数より長く設定したり、その逆で短く設定したりすることは会計上問題は無いのでしょうか?
カイプロ専門家の回答
税務と異なり、会計上は実際の耐用年数の合理的な見積(経理規定等で設定)によって償却をするため、会計上の償却期間は税法耐用年数よりも長く設定することも、短く設定することも可能です。
この際、税法耐用年数よりも長く設定する場合には、税法規定よりも遅く償却する(費用を遅く計上する)こととなるため、これは税法上も全く問題ありません。(税法耐用年数は「最短期間」として設定されていますので、この年数以上の年数であれば問題ありません。)
一方、社内設定した耐用年数が税法耐用年数よりも短い場合、税法上の償却よりも早く償却する(費用を早く計上する)こととなるため、税務調整が必要となります。具体的には、税法耐用年数で償却した場合の金額との差額を、法人税申告書上で損金不算入経費として加算処理します。
以上となります。
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