カイプロの西川です。月6,000THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
回答者:BM Accounting 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))
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※本内容は執筆時点(25年1月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
パフォーマンス理由解雇の位置づけ、全般的な対応方針
ご質問の要約
ある従業員について、パフォーマンスが悪いという理由で解雇は可能でしょうか。
カイプロ専門家の回答
解雇には主に以下の種類があります。
- 従業員の就業規則違反、会社に損害を与える行為等での懲戒解雇
- パフォーマンス理由や懲戒解雇には至らない場合での会社都合解雇
- 解雇の理由が不合理と判断される場合の不当解雇
パフォーマンスのみの理由の場合、一般的には懲戒解雇は難しいです。一方、解雇補償金を払っての会社都合解雇とできる可能性は十分あります。ただし、不当解雇とされないように、解雇理由を明確に通知する、また労働者保護法に規定される手続きはを遵守するなど対応が必要です。
一般的には法定の解雇補償金を支払うことで揉めるケースは少ないですが、後日不当解雇とされた場合は損害賠償金の上乗せが必要となります。金額は状況によっても変わりますが通常勤続期間1年につき1ヵ月程度となるケースが多いです。
解雇通知後に不当解雇といわれ損害賠償金を求められることを避けるため、解雇補償金に上乗せをしたうえで解雇通知書へサインを受けるなど従業員の合意を取得するケースも見受けられます。
不当解雇の損害賠償金
ご質問の要約
解雇補償金を支払っての会社都合解雇の場合、その後に追加的な支払いが生じる可能性はありますか?
カイプロ専門家の回答
解雇の後、本人が労働局に駆け込む等する場合があります。
その後、調停や裁判等で解雇が不合理と判断された場合、不当解雇の扱いとなり、損害賠償金の支払い等が指示されるリスクがあります。
損害賠償金は、 一般的に勤続期間1年につき1ヵ月分程度となります(解雇補償金と別途の支払い)。
不当解雇を避ける対応
ご質問の要約
不当解雇を避けるためには、どのような対応をすればよいでしょうか。
カイプロ専門家の回答
主に以下の対応が必要です。
- 労働者保護法に規定される手続きの順守
- 解雇理由の明確な通知
労働者保護法に規定される手続きは以下の4点があります。
- 1賃金支払い期間前の事前通知(または代わる予告手当の支払い)
- 年次有給休暇の残日数買い取り
- 解雇補償金支払い
- 退職から3日以内の給与/解雇補償金の支払い(即時解雇の場合は当日)となります
また解雇理由の通知について、特に人事評価や上司からの評価を伝えずに解雇する場合や客観的に見てパフォーマンス不足とは言い難い場合には、後日不当解雇とされる可能性が高まります。
業務能力不足として理由の説明を行い、解雇補償金の支払いその他法定の手続きを順守している場合、不当解雇とされるケースは少なくなっています。
解雇理由通知の具体的な留意点
ご質問の要約
パフォーマンス理由解雇での解雇理由の通知について、具体的にどのような点に気を付けるべきですか?
カイプロ専門家の回答
業務能力不足の状況や業務上のミスについて、できるだけ詳細に状況を記載した解雇通知を文書で通知するのが望ましいです。
また、労働局へ駆け込まれた場合に証拠を提示できるよう、以下などのエビデンスを残すことが望ましいです。
- パフォーマンス評価結果
- 勤怠データ
- 会社内外で損失が生じている証拠(証言、関係者のメール) など
解雇通知への本人同意(合意退職)
ご質問の要約
不当解雇のリスクをできるだけ下げたいのですが、何か良い方法はありますか?
カイプロ専門家の回答
解雇通知に以下を記載し、ご本人サインを受領する方法があります。
- 記載に内容に納得をしている旨
- 将来一切の追加的な請求をしない旨
この場合、(サインを強要された等のケースを除き)原則として事後の追加請求は認められない判例となっています。
サイン受領のため解雇補償金に+αの上乗せをし、解雇ではなく合意退職の形式とする場合もあります(解雇形式でないためリスク↓)。
以上となります。
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