カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
回答者:
TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)
BM Accounting & Legal 長澤(社会保険労務士、米国公認会計士(inactive))
JGA 坂田(タイ税務・BOI専門家)
Kaipro 西川(公認会計士)
※本内容は執筆時点(24年4月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
非居住者取締役にビザ・労働許可は必ずしも必要ない
ご質問の要約
取締役となる場合、非居住者取締役であってもBビザと労働許可は取得する必要がありますか?
カイプロ専門家の回答
タイにおいて貴社での就労行為を行う場合にはBビザ(就労)および労働許可(WP)の取得が必要となりますが、就労行為をしない場合には、これらを取得する必要は必ずしもありません。
親会社役員の取締役就任の例(サイン権、役員報酬なし)
ご質問の要約
タイに非居住の親会社役員が、以下の条件でタイ現法の非常勤取締役に就任することは可能でしょうか。
・労働許可なし
・サイン権なし
・役員報酬なし
・現地で取締役会に参加、またはWEB参加
カイプロ専門家の回答
ご記載の条件での取締役就任であれば、特に問題はありません。
サイン行為等の就労行為をしないのであれば労働許可およびサイン権は必要なく、また無報酬であることも特に問題ありません。株主総会にて取締役を選任し、その登記を行うのみとなります。
また、「自社の取締役会への参加」は就労に該当しないとされているため、現地での取締役会参加も問題ございません。※1
参考:ジェトロページ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/02/9fc0b61ea5a5f0b6.html
一方、Web開催については、そもそもWeb会議の場合は一定の条件を満たしていなければ有効になりませんので、その点はご留意ください。※2
※1:「自社の取締役会への参加」の場合でもビザについてはご留意ください(詳細は以下記事参照)。
出張者のWP/VISA対応の基礎知識/Q&A
https://kaipro.link/articles/wp-and-visa-for-business-travelers-in-thailand/
※2:Web会議の条件については以下記事参照。
「株主総会/取締役会のWeb/委任状開催」
https://kaipro.link/articles/gsm-bod-via-web-conference/
非居住者取締役がサイン等の活動をする方法
ご質問の要約
非居住である取締役がサイン行為等の活動をすることはできますか?
カイプロ専門家の回答
サイン権のある取締役であることを前提として、可能です。ただし、タイ国内において取締役として就労行為を行う場合(サイン行為やその他就労行為)は、Bビザ(就労)とWPが必要になります。
- Bビザ(就労)とWPが不要なケース1:自社の取締役会への参加
前述のとおり「自社の取締役会への参加」は就労行為とされないため、取締役会に参加するのみであればBビザ(就労)とWPの取得は不要です。
- Bビザ(就労)とWPが不要なケース2:タイ国外でのサイン
加えて、日本などタイ国外でサインをし、公証役場・外務省・タイ大使館等で認証(例えば日本で書類にサインをした旨の認証)を行うことで、国外でサインしたものをタイ国内で効力を持たせることが可能です。ただし、煩雑であるため実務上はあまり採られない方法です。
非居住者取締役が報酬を得る場合の留意点
ご質問の要約
タイ非居住の取締役が報酬を得ることは可能ですか?
カイプロ専門家の回答
可能です。
ただし、WPを取得していない取締役が貴社から報酬を得る場合、貴社の他のWP保有者がWPやBビザの更新の際に問題視されるケースはあります。
また、税務上の留意点についてはこちらの記事をご参照ください。
非居住者役員への役員報酬の税務
https://kaipro.link/articles/withholding-tax-of-non-resident-directors-in-thailand/
労働許可を取得せずに就労行為をした場合の罰則
ご質問の要約
WPを取得しない取締役がタイにおいてサイン等就労行為をした場合、どのようなリスクがありますか。
カイプロ専門家の回答
WPを取得せずに就労したとされる場合は、外国人就労法違反(法令上は5年以下の禁固、もしくは2,000バーツ以上10万バーツ以下の罰金またはその併科、国外送還の可能性あり)で罰せられる可能性があります。
以上となります。
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