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タイでの売掛金の時効・時効中断の方法

ご質問の要約

売掛債権の時効は2年と聞いていますが、この2年はいつから起算して計算すれば良いのでしょうか?

また、スタッフによると日本のような時効の中断はなく2年から延長されることはないと聞きましたが、本当でしょうか?

カイプロ専門家の回答

回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)

永田弁護士の写真

タイにおける時効については、民商法典上以下のような規定となっています。(本文下部参照)

そのため、いわゆる売掛債権の消滅時効は2年であり、この2年は、請求権を行使できるとき(いわゆる支払い期日)から起算します。

ただ、「請求権を行使できるとき」の判断が支払い期日より前とされるリスクもありますので(売買時点から請求権を行使できたという判断など)、売買時から2年と考えて対応する方が無難です。

また、193条/14(下記)にあるように、一部の支払いや、訴訟提起などすると時効期間が中断されます。

債務承認をさせることも有効ですが、これが時効中断する債務承認(=疑いなく請求権に基づく債務を負ったことを間接的に示す行為 )となるか紛争のリスクがあるので、債務承認もさせつつ、未払いの状況が続く場合は早めに訴訟提起を行うことが有効です。

(民商法典の規定)

第一九三/三四条
以下の請求権の時効は二年とする。 (一)商工業事業者、民芸従事者、工芸従事者、職人の供給物の代価、賃金、他者の事業の監督料、 立替金の請求。ただし債務者側の事業のためになした行為である場合は除く。 

 第一九三/一二条
  時効は請求権を行使できる時点から起算する。ある行為を禁止した請求権である場合は、その禁止行為があった時点から起算する。 

第一九三/一四条
時効は以下の場合に中断する。
(一)債務者が債権者に対し、文面で債務一部返済、利払い、担保供出する債務を負った、または疑いなく請求権に基づく債務を負ったことを間接的に示す行為により、請求権に基づく債務を負った。
(二)債権者が請求権の証拠を確立するため、または債務返済を求めて裁判に訴えた。
(三)債権者が破産訴訟で債務返済履行を請求した。
(四)債権者が調停人に係争調停を委ねた。
(五)債権者が訴訟と同様の結果をもたらすその他の行為をなした。

以上となります。

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