カイプロの西川です。月5,500THBで会計士・弁護士・社労士などの日本人専門家にいつでも気軽に相談できる顧問サービス「カイプロ」を運営しています。(詳細はこちら)
本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。
回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)
※本内容は執筆時点(23年2月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。
督促状送付における留意点
ご質問の要約
未回収債権について、訴訟するほどの金額でないため、督促状を送りたいと思います。タイにおける督促状の一般的な進め方、法律上の位置づけ、効果(法的拘束力)を教えてください。
また、督促状の送付以外に先方へ支払いを行わせるようプレッシャーをかける効果的な方法があればご教示ください。
カイプロ専門家の回答
督促状については、貴社の名義で、あるいは弁護士名で送付するのが一般的です。
ただし、督促状はあくまでこちらの意思表示であり、貴社名でのレターでも弁護士名でのレターであっても法的拘束力はありません。あくまで弁護士名での送付により訴訟される可能性を相手方が感じ、支払に応じてくる可能性が高まることを期待しての対応になります。
その他プレッシャーをかける方法としては、弁護士を通じての交渉のほか、民事訴訟の提起を行うことが一番効果的です。
カイプロ注:カイプロ専門家メンバーの法律事務所TNY Legalにて督促状の作成業務も可能です。
訴訟による債権回収の留意点
ご質問の要約
長期未回収の売掛金があります。回収は一般的にどのように進めればよいでしょうか?
カイプロ専門家の回答
回収の進め方ですが、相手方に対して請求・督促をし、支払が任意にされればいいのですが、これがされない場合、強制的に支払いを求める方法としては訴訟提起をし、判決を取得して強制執行を行うことになります。預金口座や不動産などの財産を特定することができれば、回収も実際に可能です。
ただし、訴訟は時間・費用がかかるため、債権が小額の場合には費用倒れとなるため留意が必要です。
また勝訴判決は出るにせよ、結局財産がなければ執行は空振りとなり回収ができません。そのため、事前に財産を特定できるのであれば、財産を特定のうえ訴訟提起後に仮差押え等の保全手続きを行うことも選択肢です(日本と異なり、保全手続は訴訟提起後にしかできません)。
カイプロ注:強制執行のためには、タイの裁判所で判決を得る、あるいは仲裁とする必要があります。そのため、契約時の紛争解決条項にも留意が必要です。
参考記事:契約の紛争解決条項 (仲裁機関,準拠法)の考え方
https://kaipro.link/articles/dispute-resolution-in-thailand/
また、訴訟にいたるまでに債権時効(売掛債権は2年)となることが想定される場合、債務承認をさせるなど、時効を中断させる措置も必要です。
参考記事:売掛債権の時効・時効中断の基礎知識
https://kaipro.link/articles/prescription-of-account-receivables-in-thailand/
以上となります。
カイプロでは、月5,500THBで会計士・弁護士・社労士など複数の専門家に相談可能な顧問サービス「カイプロ」を提供しています。(詳細はこちら)
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