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本サービスへご相談のあった内容から、広く皆様に知っていただきたい内容を共有いたします。
本内容が皆様の会社運営の一助となれば幸いです。

回答者:TNY Legal 永田(弁護士・弁理士)

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※本内容は執筆時点(22年11月)のものです。
※本内容は顧問サービス「カイプロ」ご契約者様へ提供した内容のうち、一定期間経過したものを利用しています。

相手方企業の所在地による原則的考え方

ご質問の要約

日系企業のタイ現地法人と契約締結予定です。紛争解決の方法として、「東京地方裁判所を第一審の専属合意管轄裁判所とする。」とありますが、タイ法人同士の契約でも日本の裁判所を紛争解決機関とすることは可能なのでしょうか?

カイプロ専門家の回答

タイ国内の取引であっても、準拠法や紛争解決条項を日本法、日本の裁判所とすること自体は可能です。

ただし、日本などタイ国外の裁判所の判決はタイでは執行できず、ほとんど意味がありません(タイで改めて裁判をする際の証拠になる程度)。

そのため、貴社が請求をすることが想定されるケースなどでは、契約相手の企業が存在する場所(タイ法人であればタイ)の裁判所を紛争解決条項として規定しておくか、または仲裁によるという形が望ましいです。

相手方企業の所在国の裁判に信頼性がない場合

ご質問の要約

在ベトナムの日系企業と契約締結予定です。この場合、ベトナムの裁判所での訴訟を紛争解決の方法として設定しても問題ないでしょうか?

カイプロ専門家の回答

裁判の判決は他国で執行できないことが通常のため、タイ国外企業に対して効力を及ぼしたい場合、相手方企業の所在地の裁判所での訴訟、あるいは仲裁となります。

ただし、ベトナムでの裁判は信頼性に欠けるため、このように相手方企業の所在国での裁判の信頼性がない場合には、仲裁がよいかと思います。

一般的に利用される仲裁機関

ご質問の要約

仲裁はどの国の仲裁機関を使用するのが一般的でしょうか?

カイプロ専門家の回答

仲裁は、日本やシンガポール、上海の仲裁がよく用いられます。これは費用がかなりかかることから大きな取引の場合には有効です。

タイの仲裁機関も利用可能

ご質問の要約

タイにおける仲裁機関はどのようなものがありますか?また、それらは日本やシンガポールのように一般的に安心して利用できるものでしょうか。

カイプロ専門家の回答

シンガポールや日本の仲裁の方が予測可能性や判断の信頼性は高いと考えます。ただ、タイにおける仲裁も、十分、紛争解決方法としてあり得るものといえると考えます。

タイにおける仲裁機関として代表的なものは、以下の2つかと思います。

・Thai Arbitration Institute(TAI)
1990年に法務省の傘下として設立された機関で、最も取扱い事件数が多いと言われています。

・Thailand Arbitration Center(THAC)
ASEAN諸国における仲裁の中心的機関として国際仲裁を支援・促進することを目的として、2015年に設立された最も新しい機関です。

タイにはもう1つTCACという機関がありますが、現在あまり使用されていないと言われているため、上記2機関のいずれかを指定しておく形がよいかと思います。

準拠法決定の考え方

ご質問の要約

契約書の準拠法は、どのように取り決めるのが一般的でしょうか?

カイプロ専門家の回答

あくまで一般論ですが、紛争処理を行う機関の適用法ということが多いかと思います。例えば、タイの訴訟を紛争処理機関とする場合は、タイ法を準拠法とするという形です。

また、例えば日本での仲裁とする場合、準拠法を日本法とすることも問題ありません。日系企業同士であれば、このような形もありえます。

以上となります。

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